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ぬっぺふの主張整理(α版)


 お久しぶりです。元熱血教員で不祥事教員、現社会福祉士でピアサポーターのぬっぺふです。

 ここ最近は精神的な波やら動画作成やら実家帰りやらで更新が滞っていましたが、戻ってまいりました。

 先日、twitter上にて「何かききたいことがある方はいますか?」と問いかけたところ、なんとありがたいことにご意見頂くことができました。

 ぬっぺふの考え方、HPの記事内容等について鋭いご指摘を頂き、自分自身無意識の内に避けてしまっていた内容などもあったかなと考えさせられております。


 なので、今回は折角頂いたご意見に対応する形で、当ブログが目指しているもの、また今までの記事では語りきれていなかった補足などについてお伝えしていければと思います。

それではいってみましょう!



 

1.Twitter上でのやりとり


※HP上の内容についての指摘の要点としては、


①文章が他責的に見えた

②性依存症のことを不祥事と表現していること、不祥事軽減のために労働環境改善に言及している点がそう見えたのかもしれない。ストレス環境の改善は依存の回復に不可欠だとは思うものの、それよりも個人による物理的障壁を築くことの方が先ではないか。

③ぬっぺふの改善しようとしている問題は「教師に限定」したり「不祥事という言葉で講義的にくくる」ことで却って実態がわかり辛くなっているのではないか。

④ぬっぺふの言う不祥事とはどのようなことなのだろうという疑問があった。

⑤問題は不祥事や労働環境ではなく加害性のある性依存なのであれば、そのワードがない文章は不明確ではないか。


という内容です。

あくまでぬっぺふの整理した内容なので勘違いもあるかもしれません。そのため、もし掲載の許可を頂けた場合は、やりとりの内容をちゃんと記載することで、ご指摘の内容がより明確になるようにできればと思っています。

 

2.当HPで扱っている不祥事について


 まず、当HPで扱っている不祥事は主に「教員による他害行為(あるいはそれに繋がる行動)」をメインに考えています。いわゆる暴力、暴言、パワハラ、セクハラ、わいせつ、盗撮、万引き、飲酒運転あたりが軸であり、USBの紛失や単純な交通事故、等は想定していません(ただ、そうした問題についても過労といった身体条件や仕事に対する自身の姿勢…いわゆる境界線をちゃんと引けているか等は関連するかとは思われます)。


 ただ、ぬっぺふの経験および学んできた専門が性的な問題に関するものが多かったことから、例え話等が性的な問題ばかりになってしまっている感はあり、誤解させてしまっているのかもしれません。最初に「不祥事」とは何を指すのかを具体的に定義しなかった点はブログの内容をわかり辛くする原因になっていたと思い、反省しています。



 

3.ぬっぺふの基本認識について


 上記した不祥事について、ぬっぺふの基本認識は以下のパターンです。


①成育歴や生来の能力の凸凹を機に誤ったストレスの対処法を覚えていく方がいる


※この対処法の中には周囲への過剰適応のための自身の抑圧や、特定の物質、行為への依存も含まれるが、学生時代等は他のストレス解消策も機能していたりするため顕在化してないケースが多い


②教員、あるいは社会人となりマルチタスク・高度な対人スキルが求められるようになる。生活の変化の中、限定的なストレス解消しかはかれなくなりがち。結果、本人の状況に変化が発生。

※依存度上昇→本来の依存先のみではなく、仕事そのものが依存先になったり仕事内で権威性を振りかざし他者を抑圧することに依存してしまうことも。


※溜め込んだストレスが心身に表れてくる

鬱、双極性障害、統合失調症等の顕在化。なお依存がある方はそちらを強化することで切り抜けがち


③自傷・他害行為への発展

 ストレス過多な状態が続くと、無意識が攻撃先を求めだす。

 攻撃先としては自分や、自分より弱い他者が選ばれる。

 

※自分に向かえば自傷行為や自殺、家庭内に向かえばDV、クラス内や部活での叱責や暴力として表れればパワハラや対生徒暴力、性的な方面に出ればセクハラ、盗撮、買春等の行動として表れてくる。


※この段階でも、自身の行動が問題であると気付いていなかったり、わかってはいるけれどどうにもやめられなかったりとケースによって差異はある。パワハラや暴力、セクハラ、風俗通い等のケースでは本人が問題化していることに気付いてないことが多い。

 逆に、万引きや盗撮といった明らかに犯罪である行為については最早その行為そのものが依存対象となっており、何度もやめようと試みるも手放しきれない面もある。


④問題の顕在化

 不祥事の発覚。③になってから長時間見逃されていることもあれば、1回目で現行犯逮捕、というケースまで様々。



 

 …以上です。無論、教員になった段階から③の経験がある方であったり、まったくストレスなどは無かったにも関わらずたまたま最初の1回(たまたま好きな子の家の風呂の窓が開いていた等)を行ってしまうチャンスが訪れたがために各種依存になってしまった方もいるでしょうが、基本形は上記の形で説明できると思っています。

 

 ただし、Twitterで頂いた意見も参考に以上の内容を整理していて、いくつか説明不足だった点があることに気付きました。

それは、依存の中には②の段階の依存と③の段階の依存があるということです。


 

4.2種の依存


 では2種の依存について整理してみましょう。


A ②の段階の依存

アルコール依存、一部の薬物依存(抗鬱薬や睡眠薬等)、ゲーム依存、ネット依存、性依存等

※依存自体は合法的

B ③の段階の依存

薬物依存(覚せい剤等)、窃視癖や窃盗症、盗撮、痴漢といった他害行為が含まれるもの

※依存自体が違法的。


 …私が当HPにてお伝えしていた内容は多々ありますが、こと依存に関しては

「②の依存が③をはじめとする他害行為に向かわないよう気を付けること」

を軸としたかったのです。(うまく表現できていませんでしたが・・・)

 そして、その対策としては以下の2つを軸にお伝えしていました。



対策① 本人の精神的・身体的土台安定→自己覚知が進む→スキル獲得

対策② 環境面の土台安定(教員の多忙解消、仕事の適切な配分など)


 中でも、「不遇感やストレス」は②の依存を他害行為に発展させる傾向があり、その繋がりを避けることは繰り返し注意喚起してきたつもりです。


 ③の依存は「依存行為そのものが犯罪行為であり、最早依存というよりも暴力の問題」として扱わなくてはならない段階のものとなります。この依存に対してまず必要なのはご指摘いただいたように「物理的障壁の形成」です


※盗撮であればカメラをもたない、痴漢であれば満員電車には絶対に乗らない、電車にどうしても乗る時は1本逃してでも座る、といった最低限のものから、女性を目でおわない、マスターベーションをしない、ポルノは全て捨てる…といった対応がそれにあたります。


※ストレスの過多も促進材料となりますが、一度この③の段階の依存となると『チャンスがあれば勝手に体が行動する』という段階になっていくことが多いです。そこで最低限の物理的障壁を築くとともに、自己分析を行い、「どうした環境だとリスクが発生するのか」「なんのためにこうした行為を辞めたいと思うのか」「高リスクな環境に置かれたときの対処法は」「そもそも高リスクな場所にいかないためにどうすべきか」といった沢山の障壁を精神的、物理的に重ねていき、生活スタイルそのものを見直していく必要があります。これらを認知行動療法と呼んでいます。


 Twitter上でご指摘いただいたのは、まさにこの面で、

「③の段階の依存は最早ストレスや教育環境に解決策を求めるものではなくて、本人が物理的障壁を築くことから対応するものだろう?」ということだったわけで。

 たしかに、そうした③段階の依存について、私はしっかり述べていなかったように感じます。 

※見直してみたところ、すでに行ってしまって発覚していないケースという言い方で「即カウンセラーと繋がること」をお勧めしている回もあったのですが、出現回数が少なかったため印象には残りにくかったかと思います…


 なので、この「犯罪的な行為への依存から脱却するためには何が必要か」については次回のテーマとしてまとめさせていただければと思います。

 


 

5.当ブログの他責的側面について


 続いて、当ブログが他責的であるというご指摘について。

 実は、心あたりはあり「意図的に他責的に書いている部分」はあるのです。というのは、ぬっぺふの基本認識として、


①不祥事の背景には精神的な不調や依存が影響するケースも多い


②それらの回復には安定した生活が必要


③安定した生活のためには間違った対処法をとってしまっている自分に気付くことが必要


④そうした人は自身の問題について自責的になり過剰な適応をする等悪循環になっていることが多い


⑤まず自分の努力不足だけに理由を求めない視点を獲得し、余裕をとり戻す必要あり


 という考えがありまして。

 結果、当HPでは「まず自分を見つめなおすための余裕を大切にする」、そのためにも「自身が生き辛い環境から距離をおく(不祥事を再発させたり予防するためにも…)」ことなどを勧めさせていただいており、その理由をお伝えしていました。


…無論、他責的な不祥事教員もいるでしょう。思慮が足りないばかりに起きてしまった不祥事も多々あるでしょう。それらについても対策が必要ですが、私はそうした外から見てわかりやすい不祥事への対応は県教委が行っている研修の内容でよいかと思っています。


 自責的で真面目。一生懸命職務に励んでいる。そうした教員こそ不祥事研修の効果が薄く、また表面上見えにくく対応が遅れるのです。

 そうした方に無茶を避け心の安定を取り戻してもらう(あるいは自分の状況を客観視してもらう)ためには、「あなたの生き辛さの根本はあなただけの問題ではないかもしれないよ」という視点をもって頂く必要があります。

※そうしないと上記したような問題のある環境から距離をおいたり自分を大切にするという発想自体がわいてこないのです…


 結果、学校という環境、特定の教員に対して「そんな人の言うことは気にしないでいい」「環境を変えた方がいい」と他責的な文章になっている面はあるのかもしれません。

※ですが、それは自身を振り返らないでいいという意味ではありません。自身を正しく振り返るためにも、いちど頑張りすぎていたり走り続けている舞台からおりて、遠くから自分をみてみる機会を作ってほしいというのが、偽らざる本音です。



 

6.不祥事の責任について


 5.で述べたように、当HPでは生き辛さを抱えた方に「自責」以外に「他責」の目線を身に付けることを勧めています。ただし、それはあくまで「最終的に自他を守るため」であり、不祥事の責任逃れのためではありません。

「起こした事件の責任は自分であること」の1点については譲りませんので、当ブログを読んで「不祥事は自分のせいじゃないんだ!」と思ってしまわれないようご注意下さい。


 不祥事に限らず、大概の行為の責任は本人です。ただし、原因は責任とは別の場所にあるかもしれません。たとえば障害者入所施設にて多数の障害者を殺傷した植松氏。彼の行動の責任は100%彼にありますが、彼がああした行動をとることになった原因は様々な所に転がっています。 

 それはマクロでみれば世の中全体に広がっている優生思想、生産性のない者は価値がないという新自由主義的発想、また施設側の安全策も原因の1つには挙がるかもしれません。

 

…起こした問題の責任は本人にしか取れません。ですが、何が原因だったのかを探り、同じことをくり返さないことは誰にでもできます。同様に、誰かの失敗の原因をもとに、自分が問題を起こす前に気付くことも(難しいですが)できると思っています。

 

 当ブログが目指しているのは、まさにそうした予防の側面です。そして、より正確な原因追及と予防策のためには不祥事を起こした当人からの言葉を集める必要があると考えており、そのために「不祥事を起こした教員が生き抜くために使える情報」もお伝えしています。決して、無批判に不祥事教員を「被害者扱い」し、その行為の責任を別の場所に転嫁するためではないことは改めてお伝えしておきます。



 

7.最後に


 さて、今回はHPの根幹にかかわる内容でしたので気合いを入れたのですが、うまく噛み砕けていない面があったら申し訳ありません。

 いずれにせよ、今回の内容はTwitter上でのご指摘がなければ曖昧なまま進めてしまっていた部分かと思います。やはり独りよがりにならないよう色んな方の感想を頂きつつ、地道に更新していければと思います。今後ともよろしくお願いします。




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