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カリスマ教員にご注意



 どうも。元熱血教員で不祥事教員、現社会福祉士でピアサポーターのぬっぺふです。6月になると次第に新しく入った先生方もグループができ始め、人によっては人間関係に悩みだす頃かもしれません。

 

 学校には様々な教員がいます。その中でも、大きな影響力を持っているのがいわゆる「カリスマ教員」です。ただし、カリスマ教員の中には注意すべきタイプもいます。特に教育現場の経験が少ない若手にとっては、妄信することで身を滅ぼしてしまうタイプの先生もいたりします。


 ということで、あくまで例としてではあるのですが注意すべきカリスマ教員について2パターン取り上げてみることにします。

 ではいってみましょう!

 

1.前時代の漢タイプ

 

 第1のタイプは『前時代の漢(オトコ)タイプ』です。何かを犠牲にしてでも教員に人生を注いできた方々で、パワハラやセクハラ発言が出ることもありますが、管理職についても糾弾する強力な発言力といざというときの行動力のため「面倒くさいけれど頼れる方」でもあり、若手からすると敵にまわすと怖いけれど味方についていると心強い存在でもあります

 彼らは最早教員の仕事そのものが生きる目的となっており、家庭内での人間関係は希薄であることも多々見られます

 

 そうした満たされない何かを部活であったり校務分掌であったり、学校の中で埋めようとする面もあるのか、仕事の境界線をしばしば無視しがちです。例えば部活で言えば土日全てを部活にあてる、生徒指導や進路指導の中で生徒とご飯を食べに行く等を必要なこととして堂々と行います。これらの行動は同じく家庭環境や学校の中で満たされてこなかった生徒にとっては特別な体験となり、人生にプラスの影響を与えることも多く、それもまた彼らの成功体験を強化する一因です。

 ですが、先述したような行動は境界線を守って働いている側からするとある意味「困った存在」でもあったりします。ですが、生徒にとってプラスの側面も強いため同世代の教員達は「自分達に害がないならとくに波風たてないでおこう」と目をつむっている


 このタイプの教員は今まで人生を削り生徒と向き合ってきただけあって、自身の実績に自信を持っていますし誇りも持っています。

 ところが、そのため、無意識のうちに他者・・・とくに若手に対して同じような働き方を求めがちです。

 ※実際にあったやりとりの一例


 …先述したように同世代の教員からは「困った人だけれどプラスもあるから放置しておく」という冷静な目線もあったりするのですが、経験の浅い初任者(とくに臨時採用の経験がなく大学卒業後即就職してしまったタイプ)などはその求心力に取り込まれがちで、周囲に若手教員を中心とした派閥ができていることもあります

 

 こうなってくると、派閥に属せないタイプの若手にとっては大きな脅威です。周囲の目線など気にしないというタイプならばいいのですが、そうでない場合は常に自身の行動を査定されているような気分になってしまうこともあります。

 また、派閥に属した教員にとっても注意は必要です。なぜならこのタイプの教員の働き方は何かを犠牲にしないと保てないものであることが多く、比較的時間に融通のきく若手の頃はそのやり方を踏襲できたとしても後結婚し家族ができたり親の介護が必要になったりした際に身に付けた働き方が維持できなくなってくることがあるのです。


 一番の悲劇は周囲の目線を気にするタイプの人がこの派閥に所属してしまった場合です。 

 何とか漢タイプの働き方をし、それなりに成果をあげたとしても境界線を守らない働き方について他の教員から非難をうけたりしますし、やがて家庭ができた際には「もっと家族のために時間をつくってほしい」という家族からの視線との間でダブルバインドに陥ってしまったりする。


 このタイプの教員と付き合う際には、自分のスタンスを明確にしておく必要があります。

 自分が将来どのような働き方をしたいと思っているのかをしっかり持ち、自分が勝負したい所で仕事をしていくのです。前時代の漢タイプは自分と違う働き方、スタンスであっても「この人はこういう部分を大切にしているんだ」と理解すれば文句を言わない方であることも多いです。(逆にいうと何を大切にしたいのかがわかりにくく保身ばかりに走っているように見える場合はどうどうと陰口を言われたりすることもあるのですが・・・)

 

 ちなみに私は「教科を通じて生徒が大人になる手助けをしたい」と飲み会で答えたところ「それはお前のマスターベーションだ」と一蹴されました。その日は終電を逃していたのですが、彼の派閥が運転する車に乗る気になれず深夜泣きながら10kmほどの道のりを歩いて帰ったのは今でもたまに思い出します。若かった。

 

ともかく、ポイントになるのは

 ①自分のスタイルを大切にすること

 ②生徒とも教員とも引くべき境界線はしっかりと意識していくこと

 の2つです。


 以前、以下のような画像をのせました。 

 その時代によって背負う荷物は違います。そして、過去の教員が家庭を多少ないがしろにしても家庭自体は存続できた時代だったのに対し、現代社会では家庭をないがしろにすれば本気で家庭が崩壊する時代に変わってきています


 そんな中、先述した2つのポイントを意識せずにカリスマを妄信して無茶をくり返せば…いつかその代償は自分だけでは支えきれなくなっていくかもです。

 

 …このタイプの先生には本当に尊敬すべき方も多いですし、真似をしたくなることもあるのは重々承知です。が、「今後自分はどう教員生活を送っていきたいのか?」を常に問いかけながら何を大切にすべきかを選択していくことを頭の片隅にいれて関わっていく必要はあるでしょう。


 

2.パーソナリティ障害?タイプ

 


 続いて2つめの要注意タイプは「パーソナリティ障害」の可能性があるタイプです。

 パーソナリティ障害を本当にざっくり説明するなら「成育歴の中で自身を守るために作り上げてしまった性格が、社会生活を営む上での問題にまで発展している状況」とでも言えばいいでしょうか。

 本人が一番悩み、傷つき、困っている他の障害に比べると「関わる周囲を困らせてしまう」傾向があり、結果人間関係に問題を抱えてしまうケースが多々あります。


 このパーソナリティ障害、いくつかに分類される(かつては約10種、現在でも整理が続いている状況)のですが、その中でも「演技性パーソナリティ」であったり「自己愛性パーソナリティ」と呼ばれるタイプの方は謎の魅力を持っており、なんだかすごそうなオーラを発してくることがあるので要注意です。

 

 彼らは一見ぶっきらぼうな前時代の漢タイプに比べると基本は紳士的で優しく親身に話を聞いてくれたり、色々なアドバイスもしてくれたりします。

 こう聞くと何が問題なの?と思うかもしれませんが、問題は彼らのこうした行動は全て他者のためではなく「自分をよく見せるため」に行われるという点なのです。そのため、冷静に本人の話をきき、自分に対しどのような対応をしてくれているかを「言葉ではなく行動から分析」すると、実は誠実さに欠ける対応をしていることに気付くことができるはずです。


 妙な自己啓発や自称カウンセラーに多く見られるタイプなのですが、教員とも相性が良かったりするので水面下には多数いると思われます

 悪質なタイプの場合は自身が必要とされる環境を保つため、相談者を操作しようとしてくることもあります。

 いわゆるカルトの手口なのですが、あなたに自分以外の依存先ができそうになるとその対象を「うーん、でもそれってちょっと危なくない?」などとその繋がりを断ち切ってきたりする

※わたしぬっぺふは案外こうした傾向をもっていたのかもしれません。反省。

 

 こうしたタイプかも?という教員と付き合う際には、

 

 ①他にも相談できる依存先を確保し、その人のみに依存してしまわないようにすること

 ②その人が言葉の上ではなく、本当の意味で貴方を大切にしようとしているかをちゃんと判別すること

 

 を意識することが大切です。

 とくに基本は人がいいにも関わらず突如不機嫌な様子を見せてきたり、自身の表情や気分を使ってこちらを操作しようとしてくる方には注意が必要。正直言って、危険です。その人の全てが悪いわけではないですし、本人もそうした特性に気付いておらず自身を善人だと思っていることも多いため一概に関係性を断てとはいいませんが、やはり境界線を大切にしながら付き合っていくことが求められます。


 

3.最後に

 

 というわけで、職員室に現れがちな2つの注意すべきカリスマ教員のタイプについて解説しました。やや極端なケースを紹介しましたが、そうした傾向をもつすごい先生は一定数いるというのが私見です。

 

 こうしたタイプの方に振り回され、自身の心身に悪影響をきたすことも避けたいですが、「気付かぬ内に自身がそうした教員になってきていないか」も注意が必要です。

 

 特に学年を1巡した5年目あたりの若手教員は知らず知らずの内にこの2つになってしまっていることも。無論、年配の方にはその様子は見せずとも後輩達、生徒達にとって貴方は今どのように接することができていますか?

 本来の境界線を飛び越えて他者と関わったり、他者を操作しようとしたりする姿勢は長期的には必ず問題に繋がります。学校現場はグレーゾーンが多く存在し、画一的に何が駄目とはいいにくい世界ですが、それでもたまに初任者研修時に注意されたような点を思い返したり、自身の言動を振り返ってみたりすることが必要なのかもしれません


 ということで最後の最後でブーメランを返して、今回は幕とします。

 では、またいずれ!




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