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ぬっぺふ

発達障害の定義について


 当HPでは発達障害について触れることが多くなると思います。そこでまず発達障害の定義について確認をしておこうと思うのです。

 ただ、この発達障害という単語は非常にやっかいで、「実際はよくわかっていないのに少し勉強するとわかった気になってしまう」という特性を持っています。結果、法定義、医療面での捉え方、教育現場での認識、マスメディアでの印象、ネット上での記事などで認識が微妙に異なっているのが現状です例えば法的には発達障害者とは…


『発達障害(自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害など の脳機能の障害で、通常低年齢で発現する障害)がある者であって、発達障害及び【社会的障壁により】(新)日常生活または 社会生活に制限を受けるもの』by発達障害者支援法第二条


ということになります!


…うん、わかりにくいですね。この文章、発達障害についてある程度勉強をしていると非常にわかりやすく書かれているのですが、正直一般人 向けの記述とは言えません。そこでぬっぺふ風に要約してみます。


1.発達障害は5つの症状があるよ

2.①自閉症(ASD)②アスペルガー症候群③広汎性発達障害④学習障害(LD)⑤注意欠陥多動性障害(ADHD)の5つだよ

3.注意その①。こうした症状があっても、大人になってから出てきた場合別の精神疾患の可能性があるので除外する

4.注意その②。発達障害か否かの判断基準は、症状の重さではなく今「生き辛さ」を感じているかどうかで判断する

5.注意その③。環境側が本人の特性を理解せず、配慮すべきことをしていないために本人が辛くなってしまったケースも発達障害に該当する


以上です。個々の症例についてはまたゆっくり解説するとして、今回はこの「生き辛さ」というポイントに注目してみます。




 

 例えばバリバリ注意欠陥多動性症候群(ADHD)のAさんがいるとします。ざっくばらんな特徴はクレヨンしんちゃんのしんのすけです。思いついたことは試してしまうし、常に落ち着かない。同時に色々やることは苦手で思い込んだら一直線。ですが冷静な事務能力をもつ同僚とコンビを組むことで彼は会社の中ではアイディアマンとして働けており、活躍しています。



 一方、中途半端にADHDのBさんがいるとします。こちらの方は症状は弱めで表面上は普通の方(定型発達と呼びますね)を装うことができます。ですが実際は常に心の中は落ち着かないし、マルチタスクは大の苦手。勇気を出して「私は発達障害なのです」と打ち明けてみても「みんなそういう苦手はあるものだよ」と一蹴されてしまい…

 この方の場合、本来の自分とは違う自分を必死に装うことになるために次第に「生き辛さ」を抱えていくことになります。


 …さて、両者を比較したときにAさんの方が症状は重いのです。ですが、そのために『日常生活または社会生活に制限をうける』状態とは呼べません。よってこの場合Aさんの症状は「個性」と呼ぶことになります


 一方、Bさんはというと症状は軽いのですが生き辛さを抱えています。この状況が長く続けばいずれ身体症状や精神疾患につながっていく可能性もある。こうした場合、Bさんの症状は「障害」と呼ばれることになります


 発達障害は甘えか?障害か?そうした議論が今だに散見されるのは上記を理解していないがためです。大切なのは本人の感じ方。そこで、周囲は本人の特性を知った上で長所を活かせるような配慮をしていくことが重要なのですがBさんの場合はそうした配慮も受け取れていませんでした。こうした環境こそが、法文の中の『社会的障壁』となります。



 

 以上見てきたように、発達障害者支援法の定義はその判断基準を本人の主観的な部分においたという面でよく出来たものと思います。ただし、一方でこの定義では拾いきれない方達もいます。


 例えば、境界知能とよばれる軽度知的障害者の方。状況としてはBさんに近い生活を強いられがちです。知的障害を持つ方への支援は別枠でも規定されているため、はっきり区別した形で条文を作成したのだと思いますが、正直境界知能の方の悩みは発達障害の方の悩みと近い面があります。そもそも本来医学的には知的障害を発達障害と呼んでいる面もあり…

 

 他にも、大人になり鬱病等の精神疾患をきっかけにADHD的側面が強まったケースなどもあります。この場合は厳密には発達障害と認定されませんが、正直境目はあいまいです。

 幼少期から傾向は持っていたものの軽度だったために大きな問題にならずにすんでいた。それが大人になり鬱病などが併発することで隠れていたADHD的側面が見えてくる…これは本当に鬱病として処理するべきなのでしょうか。それともADHDのグレーゾーンだったと考えるべきなのでしょうか?

 

 前置きが長くなりましたがすみません。ともかく、当HPでは発達障害については比較的広義に以下のように認識して記事を書いていこうと思います。


「知的な能力発達あるいは他者との関係性の発達(もしくはその両面)において何等かの凸凹があり、それに起因する生き辛さを抱えている方を指す」


 不祥事教員の自己分析および不祥事教員化予防のためにはこの発達障害の理解も重要なカテゴリーとなってきます。全く無関係な方もいるかもしれませんが、今後の記事についてもお目通しして頂けるとありがたいです。

 ではまた次の記事にて。







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